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生き残った男の子。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
(2008/07/23)
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読み切りました……時間かかったけど一巻から七巻まで一気に読み切りました。
ハリー・ポッターに限らずですが、本当に良いと感じた物語や作品に対して言葉にして感想を書くというのは私にとってとても難しいです。ともすれば陳腐なよくある言葉でつづられてしまいそうになるくらい読んだ直後の今のような状態はただ物語を連想する事、そして語られなかった部分の想像ばかりしかできません。

ネタバレを多分に含む感想は以下続きから。

それでも敢えて言わせてもらえれば、もっと早くこの物語に出会いたかったという気持ちと、成長した現在じゃなければこの全貌は分からなかったであろうという気持ちがまぜこぜになってます。児童書として分類されてはいるものの、老若男女全ての人々が読んでもらいたい。……まあ、ファンタジーが嫌いといういわゆる「ダーズリー一家」みたいな人たちにはオススメできませんけどね(笑)

一巻~六巻の流れがもちろん土台なので本来なら省く事はできませんが、それらを割愛して七巻だけを特筆させてもらえれば死喰い人やヴォルデモートが頻繁にハリーたちに襲い掛かる事の前半、ホグワーツでの決戦として様々なハリーの知る者たちが集まり戦う中でアルバス・ダンブルドアその人とスネイプの真実がついに語られる中盤、ヴォルデモートの最後と全ての終わった19年後の後半……と分かれていると思います。

まずは前半。よくある他のファンタジー小説やRPGでも悪役ははっきりしていても主人公たちをさっそく迎え撃とうとはしませんよね。もちろん話を面白くするためもありますし、あっさり主人公が殺されてしまったのでは物語が成立しません。が、ハリーたちの置かれた状況は普通の危険さを遥かに凌駕していたように思います。ただ「ヴォルデモート」の名を言っただけでほんの数秒で死喰い人が出現して戦いに巻き込まれたり、実際つかまってハーマイオニーが「磔の呪文」を受けてしまったり。中盤以降にもハリーが死を決意して実際ジェームズやシリウスたちの霊のようなものが出現したりで一瞬読み手も「ハリーの死」を確信してしまいそうになるというシーンもありました。ヴォルデモートと傷跡で繋がるハリーは、現在のヴォルデモートの行動を手に取るように理解し、追い詰められる気持ちを読者と共に恐れおののきます。
これは元を正せばまだ一歳だったハリーをいきなり殺しに来たヴォルデモートという悪役の性格を如実に示していると共に、もちろん物語を最高に面白く興奮させるエッセンスになっています。よくRPGでも「主人公を殺したいならいきなりラスボスが出てきて殺せばいいのに」といった意見が冗談的に言われますが、まさにそれを踏襲したと言ってもいいと思います。

最大の山場である中盤とはいえ実際は七巻の下、それも後ろの方のページになります。ホグワーツに訪れたハリーの前に現れたかつてのDAメンバーだけでなく騎士団たち。死喰い人とヴォルデモートが叫びの屋敷からホグワーツに至るまで、それまで読者すら居て当然と思い込んでいた人々が死んでしまう……ほとんど戦争状態のこの背景に混乱されず、見事に分霊箱とヴォルデモートを狙うハリーたちの姿が勇猛に描かれています。
一方ではスネイプの最後の記憶を見たハリーは死の世界ともいえる場所でダンブルドアと一対一で会見します。私自身もスネイプの事をダンブルドアが信用しきっているのは間違いではなかったのか、と疑い始めたところに「ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘」といった書物の発表、そしてダンブルドアとグリンデルバルドの関係が明らかになったりして上手く読者を疑いの中に封じ込めている手法にはやっぱり脱帽。最後にどんでん返しが待っているという流れもシリーズで読んでいた私には特に疑いが強かったのかもしれません。それがスネイプの過去の物語と共に語られていくシーンでは衝撃を隠せませんでした。

そして後半。ついに全ての分霊箱を失った状態でハリーと決闘するヴォルデモート。ここでハリーはダンブルドアの教えと言葉以上の物を自身の中でしっかりと構築し、推理したその答えをヴォルデモートにぶつけています。この時点でハリーはダンブルドアという一人の恩師であり師匠でもあった人物を超えたという見方でいいと思いました。七年間というあまりにも短い間で急激に心も身体も成長させられたハリー・ポッターが自分一人の力で立ち上がり、ヴォルデモートを打ち負かす。この単純な決闘以上の歴史的戦いをハリーがいみじくも「自分の家」だと一巻の頃からずっと思っていたホグワーツの大広間で行わせたというのも流石としか言いようがありません。
実を言えば七巻ではホグワーツの七年生にはならないという事を知った時にちょっと失望したのですが、これで分かりました。ハリーにとってはホグワーツは何年生や何寮、などの組み分けがされる学校ではなくて、本当に自分の家であり家庭だったのだろうと。そしてそれはヴォルデモートにとっても同じ事だったのです。

日本語訳・終章の「19年後」ですが、思い描いていたようなハリーたちのその後がそこまで明確に描かれていないのにはちょっとがっかりでしたが、これで良かったのだろうという気持ちが強いです。ただ、あの「思い出し玉」の厄介になっていたネビルが薬草学の教授になっていたというのはなんだか最高に感動できたような気がします。ネビルはDAの五年生から急激に成長してきたような気がしますが、ホグワーツでの戦いでのゴドリックの剣を持つ者に相応しい人物に選ばれた時から彼はさらにめきめきと頭角を現して行ったと思うと感慨深いですね。
最後の言葉「すべてが平和だった」に再び感動しました。これ以上どんな言葉も必要ないですね。

2008/09/01(月) | | トラックバック(0) | コメント(0)

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