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小説 inインシテミル

インシテミル (文春文庫)インシテミル (文春文庫)
(2010/06/10)
米澤 穂信

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ちょっと前に映画版を見た後に気になってしまい購入したら手が止まらないほどのスピードで読み切れた!
この手のミステリー好きなんだな、自分。

以下、ネタバレ濃厚。


破格の報酬と引き換えに七日の間「暗鬼館」という地下施設に閉じ込められた男女12人。衣食住の心配は一切存在せず、時給11万以上で何もせずとも終了時の給料は一千万を超える計算。最初は諸手で喜んですらいた参加者たちだったが、この館に制定された「ルール」や「十戒」の存在が参加者たちに圧し掛かる。そして万全の注意を払っていたにも関わらず出てしまった死者。眠れぬ<夜>と疑心の<昼>、残されゆく人々の思いが交錯する。


というわけで、映画版と比べると遥かに重厚で面白い作品。映画版では確かに暗鬼館の仕組みや<ガード>の存在などは原作に似せてありますが肝心な部分がはしょられていたり一番面白い部分が消えていたりと別物としてしか思えないほどの差。
ヒロインの須和名が実は黒幕だったという展開は映画版も同様でしたが、原作では<クラブ>の資金源は不明なままにされているのに対して映画ではネット経由で生中継して視聴者から利益を得る、みたいな感じになってました。無理にこじつけたような気もしないでもない。

映画では安東が50代という年長者で終始結城に協力的である上に実は息子もまた暗鬼館で殺されていてその復讐を、という設定までありましたが原作の安東は驚くほど違う。まず結城とは同年代、確かに結託する展開が多いもののお互い完全に信頼しているわけでもなく終盤では結城に対して裏切りに近い行動に出るなど協力的インテリキャラが崩壊。
「筋道が立たない支離滅裂な推理でも多数決なら認定される」というミステリにおけるルールを完全に叩きのめすだけでなくそれが認められてしまったという展開はさすがに驚きました。

また結城と岩井が実はミステリ倶楽部という集まりの先輩後輩という間柄だった事も驚いた。というかそもそも、暗鬼館の12人はお互いに何らかの関わりを持つという時点で驚いた。そしてそれがクローズドサークルとかいうミステリ小説で使われる手法というのも驚いた。
この辺だけでも映画版で明示して欲しかったなあ。まあミステリ云々よりもただ虐殺シーンを連発させてればそういうのを知らない人でも見てくれると思っての事なんでしょうけど、もったいない。
他にも「抜け道」&「躊躇の間」とかメモランダムの偽造とか西野の自殺目的とか知らなかった展開のオンパレード。映画では一度しか行われなかった<推理>とかも幾度か行われているし、最後の<推理>などは壮絶。
映画番と原作はまったく別物なんだと改めて思いました。

似たようなミステリである「かまいたちの夜」など読んでると誰か一人が「殺人者がいるかもしれないところに居たくない!」とかなんとか言って単独行動して殺されるかあるいは殺すかという展開がほとんどマンネリ化と言っていいほど使われてますが、あえてそれを使おうとしない序盤の展開は面白い。
常に三人組で行動して、これ以上何も起きないようにするのが理想的だと言い切る大迫。そして面白そうにすべての展開を見ている箱島。この二人も映画版には登場しなかったですね。ツマンナイ。

インシテミルの映画版だけ見て失望した人にはぜひとも原作をオススメしたい。アガサの「そして誰もいなくなった」は読んだ事もありますが、やはりクローズドサークルなミステリは楽しいなぁ。さっそく類似したミステリである「クラインの壷」とか「そして扉は閉ざされた」など読んでしまおうかなと。マケプレで安いし。

2011/06/11(土) | | トラックバック(0) | コメント(0)

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